ニコニコ動画のジャンルをさらによくする提言

序文(本稿の前提)

ニコニコ動画のカテゴリが廃止・ジャンルが導入されてから半年以上が経過しました。今回の改変は運営サイドの理想と今後のniconicoの方針を踏まえた上で、ユーザサイドから上がる問題点をできる限りすりあわせる形で実現したこともあり、かなり大きな改変の割には全体的にスムーズな導入となったのではないかと思います。また、ジャンルはこれまでのカテゴリと比べて統一性を持って直感的に選択できるようになっているので、視聴者にとっては、動画を探す上でよりわかりやすくなったと思います。私個人としては、カテゴリの廃止とジャンルおよび人気のタグの導入について、全面否定するものではなく、それ自体は一定の成功を見た、と考えております。
一方、大きな改変であったこともあり、少しずつひずみが見られるようになってきました。そこで、今回は、ニコニコ動画のジャンルをよりよくし、さらにniconico全体がよりよくなっていくための提言をまとめたいと思います。

ジャンル検索の導入

現在の動画検索軸は、キーワード・タグ・マイリストとなっており、実はジャンル全体の検索ができません。所属動画の少ないジャンルでは、タグ検索よりもジャンル検索の方が動画を見つけられる可能性が高いにもかかわらず、ジャンル検索がないため、人気のタグなどに頼るしかない状況です。せっかく、旧来のカテゴリから脱却したにもかかわらず、これはあまりいい状況とはいえません。そこでページ上部に「ジャンル」タブも用意し、そこを選択した場合には、プルダウンでジャンルが選択できて、従来のタグ検索と同じような検索結果画面が表示されるようにすべきと考えます。
※以下は私の勘違いで既に実装されていました。キーワードやタグで検索したあと、以下の部分をクリックすると
以下のところに出てきます。

訂正の上、お詫びいたします。ご指摘頂いた皆様ありがとうございました!
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また、現在、各ジャンルページや人気のタグページから「新着コメント動画」「新着投稿動画」のリンクをたどったときだけ以下のようなジャンルでの絞り込み検索画面が表示されるようになっています。
検索画面に表示されるジャンル絞り込み
この画面をフリーのキーワード検索やタグ検索でも導入すべきと考えます。ジャンルの導入により、同じタグであってもジャンルが異なると動画の傾向が少し違うといった状況も現れ始めていますので、今のうちに導入を検討して欲しい機能となります。
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サブジャンルの設定

いまのジャンルは直感的であるかわりにあまりにも所属動画数に偏りがあります。特に音楽・サウンドジャンル(2020年1月6日現在で約262万本)とゲームジャンル(2020年1月6日現在で約840万本)は膨大すぎて、投稿者サイドから見るとジャンルランキングに載るのは至難の業です。そこで、こうした大きなジャンルについてはサブジャンルを設定すべきと考えます。ジャンルが縦軸、人気のタグが横軸とすると縦軸があまりにも太すぎるのは、目的とする動画が探しにくくなるので、デメリットとなります。そこで、人気のタグを選出する基準は従来のジャンルとしたままで、ランキングや前述で提案した検索条件として、もう少し細いサブジャンルを制定して、もう少しだけ細分化するというのが趣旨となります。音楽・サウンドジャンルとゲームジャンルに制定すべきサブジャンルについて、私の提案は以下の通りです。

メインジャンル:音楽・サウンド
サブジャンル:オリジナル曲、カバー・アレンジ・歌ってみた、環境・ASMR、演奏してみた、(サブジャンル指定なし)
「サブジャンル指定なし」はメインジャンルのみ指定しているということを指します。本来、歌ってみたはカラオケ、演奏してみたは演奏とすべきなのだと思いますが、対外的に「歌ってみた」「演奏してみた」はあまりにも知名度の高い単語なので、わかりやすさを採ってこのように提案をまとめました。

メインジャンル:ゲーム
サブジャンル:ユーザ実況プレイ、音声合成実況プレイ、ゲーム解説、ゲームPV・MV、(サブジャンル指定なし)
ここは分け方が難しいと思うのですが、人が肉声で行う実況はユーザ実況プレイ、ボイスロイドやゆっくりなどの音声合成ソフトを利用した実況は音声合成実況プレイと分ける形にして見ました。あとはゲームの解説をする動画、ゲームのPV(MADなどはここに入る想定)で分けています。本当は特に投稿数の多い東方やアイドルマスターでサブジャンルを立てたいのですが、そうしていいかどうかの判断が難しく、このようなまとめ方にしています。これらは本当にたたき台の一つに過ぎませんので、より実態に即したサブジャンルを検討すべきと考えます。

「人気のタグ」プルダウンメニュー化およびお薦めタグ注意文の導入

現在、投稿時に付ける人気のタグは予測変換のような形で表示されます。その結果、VOCALOIDオリジナル曲にもかかわらず、「ボカロオリジナルを歌ってみた」タグを付けている投稿初心者を見かけます。また、歌ってみたタグを付けずに「ボカロオリジナルを歌ってみた」タグのみを付けてロックしているケースも見られるようになってきました。これらは歌ってみたの中に内包されているサブカテゴライズタグが人気のタグになってしまっている弊害ともいえます。また、こうした状況を見るに「動画を探す上でキーとなるカテゴリタグはやはり重要であった」というのが一つの結論といえるかと思います。しかしながら、運営が恣意的に決定することになるカテゴリから脱却する、という根本思想には賛成ですし、そこに戻るのはあまりいい話ではないとも考えています。
一つの回避策として、ジャンルを指定するところとタグを付けるところの間にプルダウンメニューを用意して、ジャンルを指定すると読み込みが行われて、プルダウンメニューにそのジャンルでよく使われている人気のタグを表示するようにしてはどうかと考えます。その上でプルダウンの横に「※プルダウンのタグはこのジャンルでよく付けられているタグです。投稿した動画に適したタグを付けてみてください。」といった注意文を表示させることでタグの付け方が判らない投稿初心者にもより適切なタグを付けるように促すくらいなら問題ないのではないかと思います。提案の詳細は以下の画像にてご確認下さい。

現在の状況
現在のジャンル・タグ設定画面

改定案
ジャンル・タグ設定画面の改定案

公式動画紹介ニコ生の新設・Nsenの完全復活と存在の啓蒙

2019年の歌ってみたカテゴリー改め歌ってみたタグ界隈に関する雑感でも言及しましたが、カテゴリがなくなったことで、やはりコミュニティ感が薄れてきています。niconicoにおけるコミュニティはタグにつく部分が大きいとはいえ、既に動画紹介ニコ生や動画紹介動画が減少して久しい状況の中でカテゴリが廃止されたことで、元々カテゴリが存在していたタグに関しては、さらにコミュニティ感が薄くなっている現状があるのもまた事実です。その状況が視聴者サイドから投稿者を盛り上げるという動きを鈍くしている、と考えています。また、各所でヒアリングをしていたところ、ユーザサイドの自主的な動画紹介が減少している一因に「視聴者サイドが勝手に動画を紹介してもいい」という文化を知らない層がかなり増えた、ということがわかりました。「勝手に動画を紹介して盛り上げてもいい」という文化を知らなければ、動画紹介ニコ生や動画紹介動画は生まれようもなく、視聴者と投稿者の分断は今後も続きかねない危惧があります。
そこで、上記記事ではniconico​運営公式の動画紹介ニコ生を帯番組として流すことを提案してました。niconicoが「ニコ動」としてコミュニティを拡張していた頃に運営がまず「大会議」という形態で比較的投稿数や視聴者数が多いカテゴリからコミュニティの醸成に手を付けた前例に従って、まずは視聴者人気が高く投稿数も多い、ゲーム実況・踊ってみた・歌ってみた・VOCALOIDの4つのタグを定例番組として取り上げ、曜日ごとの紹介テーマとした上で、それぞれのテーマに詳しい声優にMCを務めてもらう、というフォーマットを提案します。なおVOCALOIDタグに関してはUTAUなども含めた、いわゆる「VOCAL Character」(週刊ぼからんsippotan氏命名)全般を扱うものとします。番組自体はリスナーから推薦したい動画を寄せてもらって紹介するリクエスト番組を主軸にMCのフリートークなども交えた内容を想定しています。紹介テーマは例えば、月:踊ってみた・火:ゲーム実況・水:歌ってみた・木:VOCALOID・金:週替わりのようなイメージです。niconico全体に影響を与える4ジャンルをテーマとして取り上げ、投稿方法などの啓蒙も同時に実施していくことで、niconicoのコミュニティ発展の土台ができると思います。
これを昨年末から強く提案し続けているのにはもちろん理由があります。特に才能にあふれているわけでもなく、一から新しいことを考え出すことが難しい、でもコミュニティに対して何かをやってみたい、という人に対して、「こういうフォーマットで好きな動画を紹介するのはどうですか」というテンプレートをこうした番組を通じて提供するのです。実際、私も一から何かを産み出すのはとても苦手で、週刊ぼからんやKAITO新曲ランキング、週刊ニコランなどという先駆者のフォーマットをまねしたことで私の作成している週刊歌らんは生まれています。一つのテンプレートを公式から提供することによって、好きに盛り上げていける素地を用意するということが大事だと考えます。さらに単に公式の動画紹介番組をやっても「公式しか紹介できない」となってしまいますので、番組のラストで「この番組は公式による紹介番組ですが、こうしたニコ生はユーザの皆さんが好きにやってかまいません。niconico運営としてはそうした動画紹介ニコ生や動画紹介動画を大歓迎します。」というメッセージを毎回アピールし続けることが大事です。
もちろん、本来はユーザ間でそうしたフォーマットの共有・発展・人気レビュワーの誕生といった好循環が行われるのがベストなわけですが、2011年以降2017年末に現在の体制になるまで、niconico​運営サイドの採ってきた施策により、niconicoのユーザコミュニティは縮小する一方でしたので、今後10年先を見据えた土台の再整備として、いまはniconico​運営サイドによるてこ入れが必要な段階です。
さらに時間的制約や空間的制約により、そうしたフォーマットに乗れないが、紹介したい動画がたくさんある、というユーザのためにNsenの完全復活も望まれます。現在はVOCALOID東方のみNsenが復活していますが、おそらくその存在をご存じの方は少なく、存在を啓蒙していく段階にあると思います。また、過去に存在していたチャンネルも今一度復活してみるのも大事だとおもいます。前述の公式動画紹介ニコ生でもNsenについて毎回触れていくことで、Nsenの存在も少しずつ知られるようになるはずです。
これらの施策は少なからず費用がかかってしまうことではありますが、例えば公式ニコ生は10分程度のオマケを用意して、そこを視聴できるのはプレミアム会員のみとするとか、Nsenでもリクエストできるのはプレミアム会員のみとする(これは昔と同じ)とかプレミアム会員の増強施策と組み合わせることでなんとか実現して欲しいと思います。もちろん私にできることがあれば最大限の協力は惜しまないつもりです。

niconicoがよりよくなるために

ここまで書いてきたことは一方的に私が妄想したことです。こうしたことを時間を掛けて書いているのは、日本の価値観で表現活動ができる動画プラットフォームが今後も残り続けて欲しい、さらに良くなっていって欲しい、という思いからだけです。GAFAのプラットフォームは欧米の価値観を土台としており、日本では問題ないような内容でも欧米の価値判断で削除されてしまうという大きな問題があります。niconicoが健全な形で残っていくことは、日本の表現活動を後世につなげていくためにも重要なことだと私は考えています。
これはあくまで私の試案であり、これがこのままniconicoの運営サイドに取り入れられるとは全く思っていません。ただ、いろいろな方が提言を提起する一つのきっかけとなり、運営サイドが今後の改善にあたっての議論を行っていく土台となれば、というところから記事を立項しました。各方面に何らかの参考となれば幸いです。
※本項は皆様のご意見などで修正をしたり、わかりにくいところにキャプチャ画像を入れたり、今後も少しずつ手を入れる予定です。思い出したときにまた見に来て頂ければ幸いです。