少し前に焼酎ブームがありまして2

数年前に焼酎の大ブームがありまして、それはもう焼酎を造れば売れるような状況となり、各社が増産を繰り返しておりました。元々の生産量の倍くらいになって味が落ちたといわれても作れば売れるものですから、とにかく増産という状況がありました。

一方で、そうした一大バブルの最中でも、やっぱり負けている蔵がやっぱりありまして、味も比較的きちんとしているし、ラベルもいいのになぜか売れない。最初は自分たちで頑張るわけですが、売れないとなると酒販店は売れる方に力を入れますからますます売れなくなる。

売れて仕方ない蔵でも自分たちだけで作るのに限界が出ます。設備投資も銀行が貸してくれなくなるなどある程度まで来ると限界が来ます。そこでそうした蔵はどうしたか。売れない蔵に目を付けたのです。仕組みはこんな感じです。
まず売れない蔵が通常どおり焼酎を造ります。ある程度熟成した段階で未納税移出という制度を利用して売れる蔵へ出荷します。売れる蔵はその焼酎を他の蔵から買った焼酎などとともに自分たちのブランドとして販売します。これを桶買いといいます。

これは違法でも何でもなく、従来から行われてきたことです。ところが、従来と大きく違うのは、こうした桶買いをした焼酎をさも自分たちが手作りで生産したかのような「物語」を付加して販売していた、ということです。その焼酎はほぼ自分たちで作ったものではないのにさも自分たちが造ったかのようなふりをして売るのです。

自称焼酎居酒屋などはいい加減なもので、こうした蔵の焼酎を「あそこは様々な酒質の焼酎が醸せる技術力のある蔵なんです」などと称して提供します。そりゃ別の蔵が造った焼酎ならば当然様々な酒質になるのは当たり前のことで技術力でも何でもありません。

そうした蔵はいま過剰な投資に悩み生産調整を繰り返しています。もちろん桶買いに協力していた蔵は一部を除いて買ってくれなくなりましたから経営的にはかなり厳しい状況でかわりはない状況です。

バブルのようなブームが起こるとこうした「桶買い」が起こるのだなあ、と思ったので焼酎ブームの頃の負の記録ということでこちらに書き殴っておきます。それだけのことで特に深い意味はないです。

参考:本格焼酎の楽しみ/焼酎の種類